結論 #
アミノ酸スコアは組成だけを見ます。PDCAASとDIAASは、そこに消化吸収率を掛けます。数値が並んでいても、測っているものが違うので直接は比べられません。
3つを並べて見る #
| アミノ酸スコア | PDCAAS | DIAAS | |
|---|---|---|---|
| 測るもの | 必須アミノ酸の組成 | 組成 × 消化率 | 組成 × 消化吸収率 |
| 消化の扱い | 考えない | 便から推定 | 小腸の末端で測定 |
| 上限 | 100 | 1.0 | なし |
| 採用年 | 1973年以降、複数回改訂 | 1991年 | 2013年 |
食品成分表などで見かける「アミノ酸スコア100」は、表のいちばん左の列です。組成に穴がないことを示しますが、実際にどれだけ吸収されるかは含みません。大豆と牛乳がどちらも100になるのは、組成だけを見ているためです。
もう1つ、アミノ酸スコアには比較の基準そのものが動くという厄介さがあります。何を理想のパターンとするかは年代や対象年齢で改訂されてきたので、違う基準で計算された値を並べても意味がありません。
同じ食品で3つの数値が食い違うのは、こうした定義の差によるものです。指標が矛盾しているわけではありません。
つまり #
数値を見るときは、まずどの指標かを確かめます。100と1.09は別の物差しの目盛りで、大きいほうが優れているという読み方はできません。
出典
- FAO/WHO/UNU (2007) Protein and amino acid requirements in human nutrition. WHO Technical Report Series 935.(評点パターンの改訂)
- FAO/WHO (1991) Protein quality evaluation. FAO Food and Nutrition Paper 51.
- FAO (2013) Dietary protein quality evaluation in human nutrition. FAO Food and Nutrition Paper 92.
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 アミノ酸成分表編」