結論 #

タンパク質消化率補正アミノ酸スコアの略で、1991年に国連食糧農業機関と世界保健機関が採用した指標です。アミノ酸の組成に消化率を掛けて求めます。長く標準として使われてきましたが、2つの弱点が指摘されています。

単純さと引き換えに失ったもの #

計算は単純です。必須アミノ酸のうち最も不足しているものの比率に、そのタンパク質全体の消化率を掛ける。これで組成と消化の両方が1つの数字に入ります。栄養表示の根拠として世界中で使われてきました。

1つ目の弱点は、1.0を上限として打ち切ることです。計算上1.2になっても1.0と表示するため、卵・乳・肉のように質の高いタンパク質はすべて1.0に並びます。差があっても見えません。

2つ目は消化率の測り方です。口に入れた量と便に出た量の差から求めるため、大腸での細菌の働きが混ざります。実際に小腸で吸収された量より高く見積もられることがあります。

PDCAAS DIAAS
消化率を測る場所 便(全消化管) 小腸の末端(回腸)
消化率の単位 タンパク質全体で1つ アミノ酸1種類ごと
上限 1.0で打ち切り 1.0を超える値も使う

この2点を改めたのがDIAASです。国連食糧農業機関は2013年に、そちらへの移行を勧告しました。それでもPDCAASが残っているのは、各国の表示制度に組み込まれていることと、DIAASのデータが不足しているためです。

つまり #

PDCAASは単純で使いやすい代わりに、質の高いタンパク質どうしを区別できません。1.0という数字は「上限に達している」という意味で、それ以上どれだけ高いかは分かりません。

出典
  1. FAO/WHO (1991) Protein quality evaluation: Report of a Joint FAO/WHO Expert Consultation. FAO Food and Nutrition Paper 51.
  2. FAO (2013) Dietary protein quality evaluation in human nutrition. FAO Food and Nutrition Paper 92.(PDCAASの限界とDIAASへの移行勧告)