結論 #

ホエイはチーズを作るときに出る液体です。これを膜でこして濃縮し、乾燥させて粉にしたものがホエイプロテインです。

捨てていた液体が原料になるまで #

牛乳に酵素や酸を加えると、カゼインが固まってチーズになります。残った黄色みがかった液体がホエイ(乳清)です。ヨーグルトの表面に浮く上澄みも、同じ乳清です。

この液体のタンパク質濃度は1%に満たず、そのままでは製品になりません。工程は濃縮と乾燥が中心になります。

工程 すること
清澄・脱脂 残ったチーズのかけらや脂肪分を取り除く
膜ろ過 水と乳糖を通し、タンパク質を残して濃縮する
追加の精製 乳糖と脂質をさらに落とす(WPIの場合)
乾燥 熱風で水分を飛ばし、粉末にする

膜ろ過までで止めたものがWPC、追加の精製まで行ったものがWPIです。WPCやWPIをさらに酵素で分解すると、WPHになります。原料はいずれも同じホエイで、どこまで工程を重ねたかが違います。

ホエイが安く手に入るのは、チーズ製造の副産物だからです。かつては排水として処理されていたものが、膜技術の発達で食品原料になりました。

つまり #

ホエイプロテインは、チーズの副産物を濃縮して乾かした粉です。WPC・WPI・WPHを分けているのは原料ではなく、工程をどこまで進めたかです。

出典
  1. Smithers GW. (2008) Whey and whey proteins—From 'gutter-to-gold'. International Dairy Journal, 18(7), 695–704.(ホエイの利用と製造工程の歴史)
  2. Hoffman JR, Falvo MJ. (2004) Protein – Which is Best? Journal of Sports Science and Medicine, 3(3), 118–130.(ホエイ製品の分類)
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(乳清の成分)