結論 #

違いは3つあります。必須アミノ酸のバランス、消化吸収率、そして一緒に摂ることになる他の栄養素です。1回あたりの筋タンパク質合成では動物性が有利ですが、1日の総摂取量をそろえれば差は小さくなります。

3つの違いを並べる #

動物性(肉・魚・卵・乳) 植物性(大豆・えんどう・穀類)
必須アミノ酸のバランス 9種がそろい、合成のスイッチになるロイシンも多い 大豆は良好。穀類はリジンが不足しやすく、ロイシンもやや少ない
消化吸収率 90〜95%程度 70〜90%程度
一緒に摂る栄養素 飽和脂肪酸、コレステロール 食物繊維、イソフラボン、オリゴ糖

では植物性では筋肉がつかないのか、というと、そうではありません。筋トレを行う成人を対象に、タンパク質の総摂取量をそろえて植物性中心の食事と雑食の食事を12週間比較した試験では、筋量と筋力の増加に有意な差が出ませんでした。1回あたりの反応の差は、総量とトレーニングでおおむね埋められる、ということです。

一方で、同じタンパク質量を摂るのに必要な食品の量は植物性のほうが多くなります。飲みやすさや食事量の面では、この差が実際の負担として効いてきます。

つまり #

優劣ではなく特性の違いです。動物性は1回あたりの効率、植物性は脂質の少なさと食物繊維。どちらかに寄せるより、1日の総量を確保したうえで組み合わせるのが現実的です。

出典
  1. FAO (2013) Dietary protein quality evaluation in human nutrition. FAO Food and Nutrition Paper 92.(食品群別の消化率)
  2. Hevia-Larraín V, et al. (2021) High-Protein Plant-Based Diet Versus a Protein-Matched Omnivorous Diet to Support Resistance Training Adaptations: A Comparison Between Habitual Vegans and Omnivores. Sports Medicine, 51(6), 1317–1330.(12週間、総タンパク質量をそろえた比較)
  3. Tang JE, et al. (2009) Journal of Applied Physiology, 107(3), 987–992.(ホエイ・カゼイン・大豆の合成反応の比較)