結論 #

アミノ酸スコアは、食品のタンパク質に必須アミノ酸がどれだけバランスよく含まれているかを、基準となるパターンと比べて表した指標です。特徴は、最も不足している1種類(第一制限アミノ酸)だけでスコアが決まる点にあります。

なぜ一番少ないもので決まるのか #

板を組み合わせた桶を思い浮かべてください。1枚だけ短い板があると、水はその高さまでしか溜まりません。他の板をいくら長くしても関係ない。タンパク質の合成もこれと同じで、足りない1種類の量に合わせてしか進みません。

必須アミノ酸を桶の板にたとえた模式図
模式図:一番足りない1種類(この例ではリジン)が全体を決める。板の高さは含有バランスのイメージで、特定の食品の実測値ではない

穀類はリジンが不足しやすく、スコアが100に届きません。一方、卵・牛乳・肉・魚・大豆はいずれも100で、必須アミノ酸がバランスよくそろっています。

ただし、不足は組み合わせで補えます。リジンの少ない米に、リジンの多い大豆製品(納豆や豆腐)を合わせると、食事全体としてはバランスが取れます。ごはんと味噌汁のような組み合わせは、この補足効果に当てはまります。

数値を見るときの注意も一つ。アミノ酸スコアは比較に使う評点パターンによって数値が変わるため、異なるパターンで計算された値どうしを比べても意味がありません。現在はさらに消化吸収率を加味したDIAASなどの指標が国際的に使われています。

つまり #

アミノ酸スコアは「そのタンパク質に穴がないか」を見る指標。1つの食品で100を目指すより、1日の食事全体で穴を埋めるほうが現実的です。

出典
  1. FAO/WHO/UNU (2007) Protein and amino acid requirements in human nutrition. WHO Technical Report Series 935.(アミノ酸評点パターン)
  2. FAO (2013) Dietary protein quality evaluation in human nutrition. FAO Food and Nutrition Paper 92.(DIAASの提案と従来指標の位置づけ)
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 アミノ酸成分表編」