結論 #
下限は18〜64歳で男性65g/日、女性50g/日。上は体重1kgあたり1.6g前後まで伸ばす余地があります。基準がいくつもあるように見えますが、答えているのは「どこから下が足りないか」と「どこまで増やす意味があるか」の2つだけです。
推奨量と目標量は何が違うのか #
たんぱく質の基準でよく出てくる数字を、答えている質問で並べ直します。
| 数字 | 答えている質問 | 単位 | 18〜64歳の値 |
|---|---|---|---|
| 推奨量 | 下回ると不足する人が出るのはどこか | g/日 | 男性65g・女性50g |
| 目標量 | 食事全体のバランスとしてどの帯に収まるべきか | %エネルギー | 13〜20%(50〜64歳は14〜20%) |
| 筋肥大の目安 | 増やしても伸びが止まるのはどこか | g/kg体重/日 | 1.6g前後 |
推奨量は不足を防ぐための数字です。ほとんどの人がこれだけ摂っていれば足りる、という床のライン。年齢と性別で決まり、何kcal食べているかは関係ありません。
目標量は目的が別です。こちらは生活習慣病の予防を目的に、1日に摂るエネルギー全体のうちたんぱく質が何%を占めるかで示されます。割合なので、たくさん食べる人ほどg数も大きくなります。
なお、推奨量と目標量の下限が食い違うこともあります。よく食べる人は目標量の下限のほうが高くなり、逆に食事量が少ない人は目標量の下限が推奨量を割り込みます。この場合でも下限は推奨量以上にすることが望ましい、というのが基準の考え方です。
つまり #
覚えるのは2つで足ります。下限は男性65g・女性50g。上は体重×1.6gまで伸ばす余地がある。目的がこの幅のどこを狙うかを決めるだけで、基準どうしが矛盾しているわけではありません。
出典
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(推奨量、目標量、エネルギー産生栄養素バランス、目標量の下限に関する注記)
- Morton RW, et al. (2018) A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376–384.(筋肥大目的での摂取量の目安)