結論 #

食べたタンパク質が分解され、血液の中に出てきたアミノ酸の量です。この値がどれだけ速く、どれだけ高く上がるかで、筋肉づくりのスイッチが入るかどうかが決まります。

上がり方には形がある #

血中アミノ酸は空腹時にもゼロにはならず、一定の水準を保っています。食後はそこから上がり、数時間かけて元に戻ります。

上がり方の形は原料で違います。ホエイは胃を通過するのが速いため、濃度が急に高くなり、そのぶん早く落ちます。カゼインは胃酸で固まってゆっくり流れ出るので、ピークは低くなる代わりに長く続きます。

ホエイとカゼインで血中アミノ酸の上がり方の形が違うことを示した折れ線グラフ
模式図:ホエイは急に高くなって早く落ち、カゼインはピークが低い代わりに長く続く。縦軸に目盛りは置いていない。

形が違うと結果も違います。同じホエイ25gを、一度に飲む場合と、2.5gずつ20分おきに10回に分けて飲む場合を比べた試験では、血中必須アミノ酸の総量(曲線下面積)をそろえても、一気に飲んだ側のほうが筋原線維タンパク質合成が高くなりました。

高ければ高いほどよい、というわけではありません。一定の水準を超えると反応はそれ以上伸びず、余ったアミノ酸は分解されてエネルギーに回ります。

つまり #

大事なのは1日の血中濃度の平均ではなく、1回にどれだけ一気に上げられるか。プロテインを1杯ぶんまとめて飲む形に意味があるのは、この上がり方のためです。

出典
  1. Boirie Y, et al. (1997) Slow and fast dietary proteins differently modulate postprandial protein accretion. Proceedings of the National Academy of Sciences, 94(26), 14930–14935.(ホエイとカゼインの血中アミノ酸曲線)
  2. West DWD, et al. (2011) Rapid aminoacidemia enhances myofibrillar protein synthesis and anabolic intramuscular signaling responses after resistance exercise. American Journal of Clinical Nutrition, 94(3), 795–803.(曲線下面積をそろえ、立ち上がりの鋭さだけを変えた比較)
  3. Moore DR, et al. (2009) Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men. American Journal of Clinical Nutrition, 89(1), 161–168.(用量を増やしたときの反応と酸化)