結論 #
カロリーが足りていないと、筋肉は増えにくくなります。タンパク質を増やしても、この条件は埋め合わせられません。ただし、余らせれば増えるというものでもなく、余った分の多くは脂肪になります。
収支の向きで何が変わるか #
| 収支 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 大きく不足 | 体脂肪が減る。筋量は保てても増えにくい |
| ほぼ均衡 | 筋量はゆっくり増える。トレーニング初期ほど動きやすい |
| やや黒字 | 筋量が増えやすい。同時に脂肪も増える |
| 大きく黒字 | 増えた分の大半が脂肪になる |
エネルギーが足りない状態では、体は不足分を体脂肪と体タンパク質の両方から取り崩します。若い男性40人を対象に、必要量の60%まで食事を制限した4週間の試験があります。体重1kgあたり2.4gのタンパク質を摂った群は除脂肪量が1.2kg増えた一方、1.2gの群はほぼ横ばいでした。強い制限をかけながら増やすには、それだけ条件を整える必要があります。
逆方向にも限度があります。1日の黒字を大きくしても、筋肉が作られる速度そのものは上がりません。筋肉が増える速さには上限があり、それを超えた分は脂肪として蓄積されます。
つまり #
増やしたいならカロリーはやや黒字に、減らしたいならタンパク質を高めに保ったまま赤字に。カロリーとタンパク質は別々のつまみです。片方を回しても、もう片方の代わりにはなりません。
出典
- Longland TM, et al. (2016) Higher compared with lower dietary protein during an energy deficit combined with intense exercise promotes greater lean mass gain and fat mass loss: a randomized trial. American Journal of Clinical Nutrition, 103(3), 738–746.(40人、必要量の60%制限、4週間)
- Slater GJ, Phillips SM. (2011) Nutrition guidelines for strength sports: sprinting, weightlifting, throwing events, and bodybuilding. Journal of Sports Sciences, 29(sup1), S67–S77.(増量時のエネルギー収支の扱い)
- Morton RW, et al. (2018) British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376–384.