結論 #

三大栄養素の中では、タンパク質がいちばん満腹感を持続させます。食欲を消すほどの働きではありませんが、同じカロリーなら食べる量が自然に減る方向に働きます。

食べる量が勝手に減った実験 #

健康な成人19人を追った試験があります。まずタンパク質が総エネルギーの15%を占める食事を2週間続け、次にその割合を30%へ上げた食事を12週間続けました。量は自由に食べてよい条件です。

タンパク質を上げた期間、参加者の摂取エネルギーは自然に1日あたり441kcal減り、体重は12週間で平均4.9kg落ちました。食事を制限する指示は出していません。満腹感の自己評価も上がっています。

満腹感が続く理由としては、消化に時間がかかること、満腹に関わるホルモンの分泌が変わることなどが挙げられています。ただし、この分野の試験は参加者が少なく期間も短いものが多く、どの仕組みがどれだけ効いているかは確定していません。

なお、この効果は「タンパク質を足す」ではなく「食事の中のタンパク質の割合を上げる」ことで出ています。普段の食事に1杯足すだけなら、その分のカロリーが上乗せされます。

つまり #

食欲が抑えられるのは、タンパク質で置き換えたときです。減量中に高タンパクが勧められる理由の1つがここにありますが、飲むだけで食欲が消えるわけではありません。

出典
  1. Weigle DS, et al. (2005) A high-protein diet induces sustained reductions in appetite, ad libitum caloric intake, and body weight despite compensatory changes in diurnal plasma leptin and ghrelin concentrations. American Journal of Clinical Nutrition, 82(1), 41–48.(19人、タンパク質15%→30%、摂取エネルギー1日441kcal減、12週で4.9kg減)
  2. Halton TL, Hu FB. (2004) The effects of high protein diets on thermogenesis, satiety and weight loss: a critical review. Journal of the American College of Nutrition, 23(5), 373–385.(満腹感に関する試験の限界)
  3. Leidy HJ, et al. (2015) The role of protein in weight loss and maintenance. American Journal of Clinical Nutrition, 101(6), 1320S–1329S.