結論 #

食べたものを消化・吸収・代謝する過程で熱として消えるエネルギーのことです。タンパク質はこの割合が最も大きく、摂取エネルギーの20〜30%が体に残らずに消えます。ただし、1日の合計で見ると差は数十kcalです。

なぜタンパク質が飛び抜けるのか #

処理に手間がかかるからです。アミノ酸のつながりを切り、余った分から窒素を外して尿素を作り、必要なら糖に組み替える。この一連の作業そのものがエネルギーを使います。

栄養素 熱として消える割合
タンパク質 20〜30%
糖質 5〜10%
脂質 0〜3%

では減量にどれくらい効くのか。1日2,000kcalの食事で、タンパク質の割合を15%から30%へ上げた場合を計算してみます(計算例)。タンパク質が300kcalから600kcalに増え、その25%が熱として消えるとすると、消える量は75kcalから150kcalへ。差は1日75kcalです。

この数字は、脂質や糖質が減った分の影響を含んでいません。実際の差はもっと小さくなることも、大きくなることもあります。

つまり #

タンパク質は「食べても残りにくい」栄養素です。ただし効くのは1日数十kcalの規模で、高タンパク食で減量が進みやすい主な理由は、満腹感と筋量の維持のほうにあります。

出典
  1. Westerterp KR. (2004) Diet induced thermogenesis. Nutrition & Metabolism, 1, 5.(栄養素別の食事誘発性熱産生)
  2. Halton TL, Hu FB. (2004) The effects of high protein diets on thermogenesis, satiety and weight loss: a critical review. Journal of the American College of Nutrition, 23(5), 373–385.
  3. 計算例は1日2,000kcal、熱産生25%として算出したもので、特定の食事や個人の実測値ではありません。