結論 #

合成が分解を上回る時間が、何週間も積み重なることです。そのためにそろえる必要があるのは、筋トレの刺激、材料としてのタンパク質、足りているエネルギー。この3つは互いの代わりになりません。

1つでも欠けると積み上がらない #

筋肉のタンパク質は毎日作られ、毎日壊されています。1日の中でもプラスとマイナスを行き来していて、その収支が長期でプラスに傾いたときだけ筋量が増えます。

筋トレをしない人は、この収支がほぼ均衡します。食後にプラスへ振れても、空腹時のマイナスで相殺されるためです。ここにレジスタンス運動が加わると、筋肉がアミノ酸に反応しやすい状態が24時間続き、同じ食事でもプラス側へ大きく振れます。

材料が足りていなければ、刺激があっても作れません。ただし、多いほど効くわけでもありません。49件の試験をまとめた解析では、1日の総摂取量が体重1kgあたり1.62gを超えたあたりで、上乗せが確認できなくなりました。

エネルギーが足りない状態では、材料が優先的に燃料へ回されます。減量中に筋肉を保ちにくいのはこのためです。そしてこの不足だけは、タンパク質を増やしても埋め合わせられません。

つまり #

プロテインが効くのは、3つのうち「材料」だけが欠けているときです。筋トレをしていない人や、カロリーを大きく削っている人が飲んでも、欠けている側は埋まりません。

出典
  1. Burd NA, et al. (2011) Enhanced amino acid sensitivity of myofibrillar protein synthesis persists for up to 24 h after resistance exercise in young men. Journal of Nutrition, 141(4), 568–573.(運動後24時間の感受性)
  2. Morton RW, et al. (2018) A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376–384.(49件の試験、プラトー推定値1.62g/kg体重/日)
  3. Phillips SM, et al. (1997) Mixed muscle protein synthesis and breakdown after resistance exercise in humans. American Journal of Physiology, 273(1), E99–E107.(合成と分解の収支)