結論 #

筋肉のタンパク質を壊してアミノ酸に戻す反応です。悪者に見えますが、傷んだタンパク質を片づける仕組みでもあり、止めるべきものではありません。筋量が増えるか減るかは、合成との差で決まります。

壊す側も同時に動いている #

分解は合成と並行して常に動いています。筋トレで上がるのも、合成だけではありません。レジスタンス運動後の測定では、合成が約112%高まると同時に、分解も約31%高まりました。

筋トレ後に合成と分解の両方が高まり、合成のほうが大きく上回ることを示した折れ線グラフ
模式図:筋トレ後は合成も分解も高まる。2本にはさまれた部分が、正味で増える分にあたる。縦軸に目盛りは置いていない。

差し引きで見ると、食後と空腹時で向きが変わります。

状態 合成と分解の関係
空腹時 分解が合成を上回り、正味ではマイナス
食後 合成が分解を上回り、正味ではプラス

担当も分かれています。インスリンは分解を抑える方向に、アミノ酸は合成を高める方向に働きます。ヒトの筋肉で両者を切り分けた試験が、この違いを示しました。ただし、分解を抑えることを狙った食べ方で筋量が増えた、という結果は出ていません。

つまり #

分解は病気でも失敗でもなく、入れ替えの半分です。止めようとするのではなく、1日のうちでプラスに傾く時間を増やす。狙うのはそちらです。

出典
  1. Phillips SM, et al. (1997) Mixed muscle protein synthesis and breakdown after resistance exercise in humans. American Journal of Physiology, 273(1), E99–E107.(運動後、合成112%増・分解31%増)
  2. Greenhaff PL, et al. (2008) Disassociation between the effects of amino acids and insulin on signaling, ubiquitin ligases, and protein turnover in human muscle. American Journal of Physiology: Endocrinology and Metabolism, 295(3), E595–E604.(インスリンとアミノ酸の役割の切り分け)
  3. 日本生化学会「生化学辞典」(ユビキチン・プロテアソーム系)