結論 #

筋トレは筋肉を傷つけ、その修復と作り直しに材料を使います。さらに運動後は同じ量のアミノ酸に対する反応が強くなるため、入れた分が使われやすくなります。増えるのは必要量であって、不足が自動的に起きるわけではありません。

増えるのは修復の分だけではない #

レジスタンス運動で起きるのは2つです。1つは筋線維の微細な損傷で、これを直すためにアミノ酸が要ります。もう1つは、筋肉がアミノ酸に反応しやすい状態へ切り替わることです。若い男性を対象にした試験では、運動から24時間経ってもこの反応の高まりが残っていました。

筋トレ後、筋肉がアミノ酸に反応しやすい状態が24時間続くことを示した折れ線グラフ
模式図:筋トレのあと、筋肉がアミノ酸に反応しやすい状態は24時間経っても続く。縦軸に目盛りは置いていない。

この2つのぶん、1日の目安も上がります。

対象 1日の目安(体重1kgあたり)
運動習慣のない成人 0.9g前後(推奨量)
筋トレをして筋量を増やしたい人 1.4〜2.0g

上の段は日本の食事摂取基準に示された推奨量で、運動習慣は前提にしていません。下の段はスポーツ栄養の学会が示した範囲です。49件の試験をまとめた解析では、体重1kgあたり1.62gを超えたあたりで上乗せが見えなくなりました。

増えるといっても、体重70kgの人で1日100g前後です。3食きちんと食べていれば届く範囲で、届かないときにプロテインが役に立ちます。

つまり #

筋トレをすると必要量は上がります。ただし、上がったあとの量も食事だけで届くことがあります。飲む前に、いま何g摂れているかを数えるのが先です。

出典
  1. Burd NA, et al. (2011) Enhanced amino acid sensitivity of myofibrillar protein synthesis persists for up to 24 h after resistance exercise in young men. Journal of Nutrition, 141(4), 568–573.
  2. Jäger R, et al. (2017) International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 14, 20.(1.4〜2.0g/kg体重/日)
  3. Morton RW, et al. (2018) British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376–384.(プラトー推定値1.62g/kg体重/日)
  4. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(成人の推奨量)