結論 #
目の細かさが違う膜に液体を通し、粒の大きさで成分を分ける方法です。熱をほとんど使わないため、タンパク質の性質を保ったまま濃縮できます。
目の細かさで分ける #
膜には穴が開いていて、その大きさより小さい分子は通り抜け、大きい分子は残ります。ホエイの中ではタンパク質が大きく、乳糖やミネラルは小さいので、この差を使って分けます。
穴の大きさで呼び名が変わります。
| 名称 | 通すもの | 残すもの |
|---|---|---|
| 精密ろ過(MF) | 乳糖、ミネラル、水、一部のタンパク質 | 脂肪、細菌、大きいタンパク質 |
| 限外ろ過(UF) | 乳糖、ミネラル、水 | ほとんどのタンパク質 |
| ナノろ過(NF) | 水、一部のミネラル | 乳糖とそれより大きいもの |
| 逆浸透(RO) | 水のみ | ほぼすべての成分 |
WPCの製造で中心になるのは限外ろ過です。タンパク質を残したまま乳糖と水を抜いていくと、固形分に占めるタンパク質の割合が上がります。水を足しながらろ過を繰り返せば、乳糖をさらに落とせます。
膜ろ過の利点は、熱を使わずに済むことです。加熱による濃縮と違ってタンパク質が変性しにくく、溶けやすさや泡立ちといった性質が保たれます。ホエイが食品原料として使えるようになったのは、この技術が実用化されてからです。
つまり #
膜ろ過は、ふるいの目を使い分けて成分を分ける技術です。膜ろ過でつくる場合、WPCとWPIの差は、どの膜をどこまで使ったかで決まります。
出典
- Smithers GW. (2008) Whey and whey proteins—From 'gutter-to-gold'. International Dairy Journal, 18(7), 695–704.(膜技術によるホエイ加工の発展)
- Hoffman JR, Falvo MJ. (2004) Protein – Which is Best? Journal of Sports Science and Medicine, 3(3), 118–130.