結論 #
「ベスト」と言えるほどの差はありません。前に摂っても後に摂っても、10週間後の筋力と筋厚は同じでした。それでも運動後が勧められるのは、反応が高い時間帯が続いていることと、1回分を確実に置ける時間だからです。
それでも運動後が勧められる理由 #
変わるのは「反応のしやすさ」です。若い男性15名に、安静時と運動の24時間後の2条件で同じタンパク質を摂ってもらい、筋タンパク質合成(筋肉のタンパク質がつくられること)の反応を比べた研究があります。24時間後のほうが反応は高いままでした。同じ量を摂っても、運動した体のほうがよく使うということです。
この状態は運動直後から丸一日続きます。運動後に摂ることに意味があるのはそのためで、「直後でなければ間に合わない」からではありません。
実際に差を生むのはむしろ習慣の側です。トレーニング後は場所も時間も毎回同じで、シェイカーを持っていく前提もある。1日3〜4回のうち1回を、確実に置ける場所として使えます。
| 運動後に飲む理由 | 正しいか |
|---|---|
| 直後30分を逃すと無駄になるから | 誤り |
| 反応が高い状態が続いているから | 正しい |
| 忘れずに1回分を確保できるから | 正しい |
つまり #
「直後30分に飲まないと無駄になる」のではなく、「反応が高い時間帯が丸一日続くので、そこに1回置くのは効率がいい」。運動後を選ぶ理由はこちらです。飲み忘れにくい目印として使うのが正しい使い方です。
出典
- Phillips SM, et al. (1997) Mixed muscle protein synthesis and breakdown after resistance exercise in humans. American Journal of Physiology, 273(1), E99–E107.(8名、空腹状態)
- Burd NA, et al. (2011) Enhanced amino acid sensitivity of myofibrillar protein synthesis persists for up to 24 h after resistance exercise in young men. Journal of Nutrition, 141(4), 568–573.(若年男性15名)
- Morton RW, et al. (2018) British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376–384.