結論 #

朝食のタンパク質が20gに届いていないなら、埋める価値があります。届いているなら不要です。1日の中で、タンパク質がいちばん不足しがちなのは朝だからです。

朝はなぜ不足しがちなのか #

一般的な朝食を食品成分表の値で計算すると、こうなります。

朝食(計算例) タンパク質
食パン6枚切り1枚+コーヒー 約5g
ごはん150g+味噌汁+納豆1パック 約12g
上にゆで卵1個を足す 約18g

昼と夜はおかずが入るので20〜30gに届きますが、朝だけ10g前後で止まりやすい。ここが1日の配分の穴になります。

配分の差は測定されています。1日の総量が同じでも、3食に均等に分けたほうが、夜に偏らせるより24時間の筋タンパク質合成が25%高くなりました。試験の条件はタンパク質は何回に分けて摂るべき?で説明しています。

朝という時間帯そのものに意味があるかも調べられています。早稲田大学の研究では、マウスで活動期の初め(ヒトの朝に相当)にタンパク質を摂ったほうが負荷による筋肥大が大きく、体内時計の遺伝子を働かなくすると、その差が消えました。ヒトでは高齢女性を対象に、朝のタンパク質が多い群(18名)のほうが夕食に偏る群(42名)より骨格筋量と握力が高いという関連が報告されています。

ただしヒト側は観察研究で人数も少なく、因果関係は示していません。「朝に摂ると筋肉が増える」と読むのは行きすぎで、現時点で言えるのは「朝の穴を埋めると配分が整う」までです。

つまり #

必要かどうかは、いま朝食で何g摂れているかで決まります。一度だけ数えてみて、20gに届いていなければ、朝は費用対効果の高い一杯です。

出典
  1. Mamerow MM, et al. (2014) Dietary protein distribution positively influences 24-h muscle protein synthesis in healthy adults. Journal of Nutrition, 144(6), 876–880.(均等配分と偏った配分の比較、24時間で25%の差)
  2. Aoyama S, et al. (2021) Distribution of dietary protein intake in daily meals influences skeletal muscle hypertrophy via the muscle clock. Cell Reports, 36(1), 109336.(マウス試験と高齢女性60名の観察)
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html (表のタンパク質量の計算に使用)