結論 #

あります。同じ量を運動の直前に摂った群と直後に摂った群を10週間比べた試験では、筋力にも筋厚にも差が出ませんでした。前にする意味が出るのは、直前の食事から時間が空いているときと、トレーニング後すぐに食べられないときです。

前と後を直接比べるとどうなったか #

トレーニング歴1年以上の男性21名を、タンパク質25gを運動直前に摂る群(9名)と直後に摂る群(12名)に分け、10週間のトレーニングを行った試験があります。結果は、筋力(ベンチプレス・スクワットの1RM)、筋厚、体組成のいずれにも有意差が出ませんでした。

条件 直前群 直後群
人数 9名 12名
摂取量 タンパク質25g タンパク質25g
期間 10週間 10週間
結果 筋力・筋厚・体組成に有意差なし

ここで注意したいのは、21名という規模では小さな差までは検出できないことです。「差がゼロだと証明された」のではなく、「どちらかが明らかに有利ならこの規模でも出たはずだが、出なかった」と読むのが妥当です。

前に飲む実務的な利点は2つあります。ひとつは、前の食事から5時間以上空いているときに、運動中も材料が血中にある状態をつくれること。もうひとつは、練習後にすぐ帰れない・食べられない日でも1回分を確保できることです。

一方の欠点は胃です。直前に濃いシェイクを飲むと運動中に胃が重くなる人がいます。その場合は30〜60分前に、水を多めにして薄めます。

つまり #

前か後かで悩む必要はありません。「その日の自分が確実に飲めるほう」を選ぶのが、結果としていちばん近道です。

出典
  1. Schoenfeld BJ, et al. (2017) Pre- versus post-exercise protein intake has similar effects on muscular adaptations. PeerJ, 5, e2825.(トレーニング経験者21名、25g、10週間)
  2. Tipton KD, et al. (2007) Stimulation of net muscle protein synthesis by whey protein ingestion before and after exercise. American Journal of Physiology: Endocrinology and Metabolism, 292(1), E71–E76.
  3. Aragon AA, Schoenfeld BJ. (2013) Nutrient timing revisited: is there a post-exercise anabolic window? Journal of the International Society of Sports Nutrition, 10, 5.