結論 #

プロテインが薄毛を招くという根拠はありません。髪はケラチンというタンパク質でできているので、むしろ材料を供給する側です。

男性型脱毛症の原因は別のところにある #

薄毛の多くを占めるのは男性型脱毛症です。男性ホルモンから変換されたジヒドロテストステロンが毛根に作用し、髪が伸びる期間を短くしていきます。ここには遺伝的な体質も関わります。診療ガイドラインでも、この仕組みに対する治療が中心に位置づけられています。

「プロテインで男性ホルモンが増える」という説明を見かけますが、これは筋トレやサプリメントの話が混ざったものです。タンパク質の摂取量がジヒドロテストステロンを増やすという根拠は示されていません。

逆向きの関係なら報告があります。極端なダイエットや偏った食事でタンパク質が不足すると、髪が細くなったり抜けやすくなったりします。髪はケラチンというタンパク質の繊維なので、材料が足りなければ作れません。

ソイプロテインを心配する声もあります。大豆イソフラボンが男性のホルモン値を変えるかを調べた解析では、テストステロンなどの値に有意な変化は見られませんでした。

つまり #

薄毛を心配してプロテインをやめる必要はありません。進行が気になるなら、食事を変えるより皮膚科で相談するほうが確実です。

出典
  1. 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
  2. Hamilton-Reeves JM, et al. (2010) Clinical studies show no effects of soy protein or isoflavones on reproductive hormones in men: results of a meta-analysis. Fertility and Sterility, 94(3), 997–1007.
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」(不足時の影響)