結論 #
飲んで構いません。空腹時のほうが血中アミノ酸は速く立ち上がりますが、1日の筋肉づくりで有利になる証拠はありません。お腹が張る・緩くなる人は、食事と一緒にするか量を分けます。
空腹時に何が起きているか #
空腹状態でホエイとカゼインを比べた古典的な試験があります。ホエイは血中アミノ酸が急に立ち上がって短時間で戻り、カゼインは胃の中で固まって排出が遅く、緩やかな高値が長く続きました。食後のタンパク質合成はホエイで68%、カゼインで31%の上昇でした。
ここから「空腹時のホエイは速い」は言えます。しかし「だから空腹時に飲むべき」は言えません。この測定は摂取後数時間の話で、1日単位・数週間単位の筋量の変化を測ったものではないからです。
胃の中に食べ物があれば排出が遅くなり、アミノ酸の立ち上がりはなだらかになります。ただし食事と一緒に摂った条件を調べた試験では、筋タンパク質合成そのものは落ちていません。速さは変わっても、結果は変わらなかったということです。
実際に判断を分けるのは、体感のほうです。ホエイプロテイン(特にWPC)には乳糖が残っており、空腹時に一気に飲むと張りや下痢が出る人がいます。その場合の対処は次のとおりです。
| 症状が出るとき | 試すこと |
|---|---|
| 空腹時に一気飲みして張る | 水を多めにしてゆっくり飲む |
| 1回分で毎回つらい | 半量ずつ2回に分ける(1回の反応は落ちる) |
| 量を減らしても出る | 乳糖の少ないWPIに替える |
つまり #
空腹かどうかで変わるのは立ち上がりの速さだけです。1杯を一度に飲むかぎり、効率は変わりません。判断材料は飲みやすさです。
出典
- Boirie Y, et al. (1997) Slow and fast dietary proteins differently modulate postprandial protein accretion. PNAS, 94(26), 14930–14935.(空腹状態でのホエイとカゼインの比較、合成の上昇は68%と31%)
- Staples AW, et al. (2011) Carbohydrate does not augment exercise-induced protein accretion versus protein alone. Medicine & Science in Sports & Exercise, 43(7), 1154–1161.
- van Vliet S, et al. (2017) American Journal of Clinical Nutrition, 106(6), 1401–1412.