結論 #

アミノ酸がエネルギーとして燃やされることです。体に入ったタンパク質のうち、体の組み立てに回らなかった分の一部がここに回ります。ただし、増やした分の大半が燃やされるわけではありません。

燃やされる量を測った結果 #

アミノ酸から窒素を外すと、残った炭素の骨格はエネルギー源として使えます。この経路に回った量を酸化量と呼びます。摂取量を増やすと酸化量も増えるため、「余った分は燃やされる」と説明されてきました。

では、どのくらい燃えるのか。ミルクタンパク質を25gから100gに増やした試験で、増やした分のうち酸化に回ったのは12時間で15%未満でした。残りの多くは体のタンパク質として使われています。

一方、ロイシンに絞って追った古い試験では、20gを超えたあたりから酸化量が目立って増えはじめる、という結果が出ています。ここから「20gが上限」という説が広まりましたが、観察したのは摂取後4時間までです。時間を延ばすと、大量に摂っても使われ続けることが分かりました。

エネルギーが不足しているとき、体はアミノ酸を燃料として使います。減量中に筋肉が落ちやすい一因は、この経路で自分の体タンパク質が使われることです。

つまり #

酸化は「処分」ではなく「別の使い道」です。摂りすぎた分が丸ごと燃えるわけでもなく、燃えたから無駄だったわけでもありません。

出典
  1. Trommelen J, et al. (2023) The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans. Cell Reports Medicine, 4(12), 101324.(増分のうち酸化されたのは15%未満)
  2. Moore DR, et al. (2009) Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men. American Journal of Clinical Nutrition, 89(1), 161–168.(用量とロイシン酸化の関係、観察は4時間まで)
  3. 日本生化学会「生化学辞典」(アミノ酸の異化)