結論 #
増量期に増やすのは糖質と脂質で、タンパク質ではありません。タンパク質は体重1kgあたり1.6g前後で頭打ちになるので、そこを超えて増やしても筋量の伸びは変わりません。
増やす先を間違えやすい時期 #
増量期は1日のカロリーを黒字にする時期です。ここでプロテインの杯数を増やすと、カロリーは確かに増えます。ただし49件の試験をまとめた解析では、総摂取量が体重1kgあたり1.62gを超えたあたりから、除脂肪量の増え方が変わらなくなりました。タンパク質でカロリーを積むのは、値段の高い増やし方でもあります。
体重70kgの人の配分を1つの形にするとこうなります(計算例)。
| 量 | エネルギー | |
|---|---|---|
| タンパク質 | 112g(体重×1.6g) | 448kcal |
| 残り | 糖質・脂質で調整 | 目標カロリーとの差 |
プロテインの出番は、食事だけでは112gに届かない日の不足を埋めるところです。朝食が軽い日、外食が続いた日、トレーニング後にすぐ食事がとれない日。こうした日に1〜2杯入れれば足ります。
増量期にありがちな失敗が、カロリーを積みすぎることです。1日の黒字を大きくしても筋肉が作られる速度は上がらず、超えた分は脂肪になります。
つまり #
増量期のプロテインは、タンパク質の下限を守るための道具です。カロリーを積む役目は、ごはんや油に任せるほうが安く済みます。
出典
- Morton RW, et al. (2018) A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376–384.(プラトー推定値1.62g/kg体重/日)
- Slater GJ, Phillips SM. (2011) Nutrition guidelines for strength sports: sprinting, weightlifting, throwing events, and bodybuilding. Journal of Sports Sciences, 29(sup1), S67–S77.
- 表の数値は体重70kg・タンパク質1gあたり4kcalとして計算した例です。