結論 #

筋肉を増やす目的なら、意味は薄いといえます。ただし目的が「足りていないタンパク質を補うこと」なら、運動の有無に関係なく意味があります。判断の分かれ目は運動習慣ではなく、今の食事で足りているかどうかです。

足りているかどうかで何が変わるのか #

食事摂取基準の推奨量は、18〜64歳で男性65g、女性50g(1日あたり)です。運動をしない人でも、この量は体の維持に必要とされています。朝食を抜く、食が細い、減量中に食事量を減らしている——こうした状況では、運動をしていなくても推奨量を下回ることがあります。

高齢者ではさらに事情が変わります。加齢に伴って筋量が落ちるため、国際的な研究グループPROT-AGEは、健康な高齢者に体重1kgあたり1.0〜1.2gを提案しています。一般成人の推奨量の算定基礎(0.83g/kg)より多い水準です。

逆に、普段の食事で推奨量に届いているなら、そこへ粉末を足しても不足が解消されるわけではありません。余った分はエネルギーとして使われるか、体脂肪になります。

つまり #

「筋トレしているか」ではなく「足りているか」で決める。足りていれば運動していても不要ですし、足りていなければ運動していなくても補う価値があります。


出典・根拠 #

  1. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」たんぱく質の推奨量(18〜64歳:男性65g/日、女性50g/日)
  2. Bauer J, et al. (2013) Evidence-based recommendations for optimal dietary protein intake in older people: a position paper from the PROT-AGE Study Group. Journal of the American Medical Directors Association, 14(8), 542–559.(健康な高齢者に1.0〜1.2g/kg体重/日を提案)