結論 #

体にはタンパク質を貯めておく仕組みがありません。使われなかったアミノ酸は窒素を切り離され、尿素として排出されます。残った部分はエネルギーになるか、脂肪として蓄えられます。

貯めておく場所がない #

糖質にはグリコーゲン、脂質には体脂肪という貯蔵の形があります。アミノ酸にはそれがありません。体内を巡っているアミノ酸のプールはごく小さく、入ってきた分は使うか、処分するかのどちらかになります。

処分の入口は、窒素を外す作業です。外れた窒素は肝臓で尿素に変えられ、腎臓から尿として出ていきます。高タンパク食で尿素の排出量が増えるのは、この経路が働いた結果です。健康な成人を対象とした解析では、排出量が増えても腎機能が悪くなるという結果は出ていません。

では「余った分は全部脂肪になる」のかというと、そうでもありません。ミルクタンパク質を25gから100gに増やした試験で、増やした分のうちエネルギーとして燃やされたのは15%未満でした。残りの多くは体のタンパク質として使われています。

ただし、カロリーとしては入ってきます。食事に上乗せする形で飲み続ければ、その分は体重に出ます。

つまり #

余った分は捨てられもしないし、そのまま脂肪になるわけでもない。正確には「貯めておけない」というだけです。気にするなら腎臓より、1日の総カロリーのほうです。

出典
  1. Trommelen J, et al. (2023) The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans. Cell Reports Medicine, 4(12), 101324.(増分のうち酸化されたのは15%未満)
  2. Devries MC, et al. (2018) Changes in Kidney Function Do Not Differ between Healthy Adults Consuming Higher- Compared with Lower- or Normal-Protein Diets: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Nutrition, 148(11), 1760–1775.
  3. 日本生化学会「生化学辞典」(尿素回路、アミノ酸プール)
  4. 厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」