結論 #
細胞のエネルギーが減ったことを感知する酵素です。感知すると、消費を抑えてエネルギーを作り出す側へ細胞を切り替えます。タンパク質を作る工程には、ブレーキとして働きます。
エネルギーが減ると入るブレーキ #
細胞はATPという分子をエネルギー通貨として使います。ATPが使われるとAMPが増えるので、この比率を見ればエネルギーの残量が分かります。AMPKはこの比率に反応します。
活性化すると、脂肪や糖を分解してエネルギーを作る経路が動きます。同時に、エネルギーを大量に使う作業にはブレーキがかかります。タンパク質の合成は、この「大量に使う作業」の代表です。
持久的な運動や、カロリー不足の状態ではAMPKが活性化します。ここから「筋トレと有酸素運動を同じ日に行うと筋肥大が妨げられる」という説明が生まれました。分子の経路としては説明がつきます。
ただし、ヒトでの結果はそこまで単純ではありません。順序、強度、回復時間、栄養状態によって影響が変わるため、有酸素運動を入れると必ず損をするという結論にはなっていません。
減量中に筋肉が増えにくいことも、この経路である程度は説明がつきます。エネルギーが足りない状態では、作る側にブレーキがかかっているためです。
つまり #
AMPKは「今は作るときではない」と判断する側の仕組みです。カロリーが足りているかどうかが筋肥大の条件に入る理由の1つが、この働きです。
出典
- Hardie DG, Ross FA, Hawley SA. (2012) AMPK: a nutrient and energy sensor that maintains energy homeostasis. Nature Reviews Molecular Cell Biology, 13(4), 251–262.
- Baar K. (2014) Using molecular biology to maximize concurrent training. Sports Medicine, 44(Suppl 2), S117–S125.(併行トレーニングの干渉)