結論 #

BCAA(分岐鎖アミノ酸)は、必須アミノ酸9種類のうちロイシン・イソロイシン・バリンの3種をまとめた呼び名です。新しい成分ではなく、必須アミノ酸の一部を指すグループ名です。

なぜ筋肉と結びつけて語られるのか #

理由は2つあります。

1つは分布です。筋肉のタンパク質を構成する必須アミノ酸のうち、約35%をこの3種が占めます。筋肉に多いアミノ酸、という位置づけです。

もう1つは代謝される場所です。多くのアミノ酸は肝臓で処理されますが、BCAAは肝臓をほとんど素通りして筋肉で代謝されます。摂ってから筋肉に届くまでが速い、という特徴がここから来ています。

ただし、BCAAだけを摂れば筋肉が作られるわけではありません。タンパク質の合成には必須アミノ酸9種すべてが必要で、3種だけでは残り6種が足りず、その不足分に合わせてしか合成が進みません。実際、BCAA単独摂取は筋タンパク質合成を高めるものの、同量のタンパク質を含むホエイを摂った場合には及ばないことが報告されています。

つまり #

BCAAは「筋肉に多い3種のアミノ酸」であって、タンパク質の代わりにはなりません。プロテインを飲んでいるなら、その中にBCAAはすでに含まれています。

出典
  1. Wolfe RR. (2017) Branched-chain amino acids and muscle protein synthesis in humans: myth or reality? Journal of the International Society of Sports Nutrition, 14, 30.(BCAA単独では合成を維持できない理由)
  2. Jackman SR, et al. (2017) Branched-Chain Amino Acid Ingestion Stimulates Muscle Myofibrillar Protein Synthesis following Resistance Exercise in Humans. Frontiers in Physiology, 8, 390.(BCAA単独摂取による合成反応と、その大きさの限界)