結論 #
栄養学でいう質は2つの掛け算です。必須アミノ酸がバランスよく入っているか(組成)と、それが実際に体に取り込まれるか(消化吸収率)。指標の違いは、この2つをどう測るかの違いにすぎません。
2つの軸で決まる #
組成の軸では、9種類の必須アミノ酸のうち最も不足しているものが全体を決めます。桶の板の1枚が短ければ、そこまでしか水が溜まらないのと同じです。穀類はリジンが足りず、ここで評価が下がります。
消化吸収率の軸では、口に入れた量のうち実際に取り込まれた割合を見ます。動物性でおおむね90〜95%、植物性で70〜90%です。植物性が低くなるのは、細胞壁や、消化酵素の働きを妨げる成分が残るためです。
大豆はこの2つが分かれる例です。アミノ酸組成は動物性と並びます。差がつくのは消化吸収率のほうです。
これまでの指標は、この2つをどう数字にまとめるかで分かれます。
| 指標 | 何を測るか |
|---|---|
| アミノ酸スコア | 組成だけ |
| PDCAAS | 組成 × 消化率(便から推定) |
| DIAAS | 組成 × 消化吸収率(小腸の末端で測定) |
つまり #
「質が高い」とは、必要なアミノ酸がそろっていて、かつ体に入ることを指します。粉の中のタンパク質含有率や、商品の値段とは別の話です。
出典
- FAO (2013) Dietary protein quality evaluation in human nutrition. FAO Food and Nutrition Paper 92.
- FAO/WHO (1991) Protein quality evaluation. FAO Food and Nutrition Paper 51.(PDCAASの定義)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「良質なたんぱく質」