結論 #

健康な人では、高タンパク食が腎臓の働きを悪くしたという結果は確認されていません。実際に起きやすいのは、お腹がゆるくなる・張るといった消化器の不調と、カロリーの摂りすぎです。

何が起きて、何が起きないのか #

健康な成人を対象とした試験を集めた解析では、高タンパク食で腎機能の指標に有害な差は見られませんでした。トレーニング経験者が体重1kgあたり3.3g/日を1年続けた試験でも、腎機能・肝機能・血中脂質の検査値は悪化していません。ただし、すでに腎機能に問題がある人は別で、タンパク質の制限が治療の一部になることがあります。この話が広まった経緯と試験の中身は、プロテインで腎臓が悪くなる?で説明しています。

実際に起きやすいのは次の2つです。

起きやすいこと 原因
下痢・腹部の張り・おなら 乳糖不耐、1回の量が多すぎる、甘味料や食物繊維の影響
体重が増える プロテインもカロリーがある。1杯あたり約100kcal

プロテインは脂質が少ないだけで、ゼロカロリーではありません。食事に足す形で1日3杯飲めば、それだけで約300kcalの上乗せになります。

なお、日本の食事摂取基準にタンパク質の耐容上限量は設定されていません。これは安全が確認されたという意味ではなく、上限を決める十分な根拠がないという意味です。目標量の上限としては、総エネルギーの20%が示されています。

つまり #

健康な人が体重×2g前後を摂る範囲で心配する根拠は薄い。気にするべきは、お腹に合っているかと、カロリーが増えていないか。腎臓に不安がある人だけは、自己判断ではなく医師に確認してください。

出典
  1. Devries MC, et al. (2018) Changes in Kidney Function Do Not Differ between Healthy Adults Consuming Higher- Compared with Lower- or Normal-Protein Diets: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Nutrition, 148(11), 1760–1775.
  2. Antonio J, et al. (2016) A High Protein Diet Has No Harmful Effects: A One-Year Crossover Study in Resistance-Trained Males. Journal of Nutrition and Metabolism, 2016, 9104792.(体重1kgあたり約3.3g/日を1年)
  3. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(耐容上限量の扱いと目標量)